派遣でももらえる休業補償の定義と支払額

派遣でももらえる休業補償の定義と支払額

2019年末から日本を含めた世界各国で感染拡大した新型コロナウイルスは、多くの企業に影響を及ぼし、なかには休業や事業規模を縮小した企業もあります。これを受けて、ニュースでは休業中の従業員、特に派遣社員に対する補償問題が話題になりました。

 

正社員であれば休業補償を受けられることは広く知られていますが、派遣社員にも同様の補償はあるのでしょうか。この記事では休業補償の定義や支払額について解説していきます。

 

休業補償は派遣にも適用される

結論からいうと、派遣社員に対して休業補償はあります。労働基準法第26条に定められているとおり、派遣元企業が派遣社員に対して休業を求めた場合、派遣社員に対して平均賃金の6割以上を支払わなければなりません。

これは正社員のみならず、派遣社員、契約社員、アルバイトも適用されます。

 

しかし、休業補償が適用になるのか判断するのは難しいです。

4つの状況を想定し、休業補償が適用になるのか確認しましょう。

 

・1.勤務態度が問題で休業になった場合は休業補償が適用されない

派遣社員の勤務態度が著しく悪く、派遣先の企業が派遣元に社員の交代を求めてきたとします。もし派遣元でも解雇に値する場合、休業補償は適用されません。

 

・2.派遣先の都合で休業になった場合は休業補償が適用される

とくに問題がないのに、派遣先の企業が派遣社員の交代を求めたとします。

派遣元もそれに応じて休業になった場合、休業補償は適用されるでしょう。

 

・3.派遣先が自主休業の場合は休業補償が適用される可能性あり

新型コロナウイルスの影響を受けて派遣先が自主的に休業している場合があります。派遣先の都合で休業している派遣社員に対して休業補償が支払われる可能性が高いです。

 

4.天災や労災は休業補償が受けられるが病気は適用されない

派遣社員は台風や地震の天災、労働中の事故の労災による休業でも同様に休業補償を受けられます。

一方で病気や労働中以外の事故、自己都合による欠勤の場合には休業補償は受けられません。

 

休業補償の定義と支払額

休業補償とは派遣先の企業、もしくは派遣元の都合で業務ができない労働者が、労働契約を保ったまま休業する場合に受けられる補償を指します。

休業補償がいくらになるかは人によって異なるので、支払額を自分で計算できるようにしましょう。

 

・1.丸一日休業になった場合は平均賃金の6割以上が支払われる

丸一日働けなかった場合、平均賃金の6割以上が支払われます。平均賃金とは、「過去3ヵ月に受け取った賃金総額÷3ヵ月間の総日数」と「過去3ヵ月に受け取った賃金総額÷3ヵ月間の労働日数×0.6」のうち高い方と定められています。

 

・2.勤務時間の一部が休業の場合は賃金の6割未満で休業補償が受けられる

勤務時間の一部が休業になった場合、平均賃金の6割以上の賃金が発生していれば休業補償はありません。

しかし、平均賃金の6割に満たなければ、その差額分を休業補償として受け取れます。

 

 

休業補償は派遣も受けられる正当な権利

派遣社員でも、正社員と同様に休業補償を受けられます。しかし、場合によっては自分から請求しないと派遣会社は動いてくれない可能性があります。休業補償は正当な権利なので、しっかり請求して難しい状況を乗り越えていきましょう。

 

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